2021





やっぱり凍ってた



2021.01.09 SAT 天気:晴
6:00
 那須にある小さな別荘なのですが、こんな状況なので11月から訪れるのを自粛しています。でもこれから本格的に寒くなる前に水回りのチェックと
メンテナンスはやっておきたい、というかやっておかないと大変なことになる。
 ということで、朝食と昼食を自宅近くで買い込んで那須に向かいます。つまり誰とも接触しなければ、何の問題もないということです。
 考えたら最後の旅行って1年前の福井旅行で、それ以降はどこにもお泊りに行っていない。あちこち人の行かないようなところを巡るのは大好きなんだ
けどなあ・・・。
 もう GO TO っていったい何なのって感じです。GO TO にかかった費用って、後々、税金から回収されることになるわけで、自分のように、まずは感染
拡大させないのが大事って考えの人間からも徴収するのっておかしい。あまりにも不公平だと思う。



 連休初日、東北自動車道に入ったら、いつもよりずっと交通量が少なかった。このあたりは緊急事態宣言の効果でしょう。
 ただ都会の人気スポットでは、人出はあまり減っていないということだから、出向く先が近場になっただけで、十分な効果があったとは言えないのかも
しれない。
 感染拡大させない一番のポイントはマスクすることじゃなくて、集まらないってことです。




 どこにも立ち寄らないってことは、基本的にドライブを楽しむってことです。だから那須ICのずっと手前の矢板ICで降りて国道をすすみます。矢板というと
いちめんの田んぼがきれいなところ、遠くに那須連山が望めます。
 車があまり走っていないけど、これはコロナのせいでなく、休日の早朝はいつもこんなものです。信号もほとんどないところなので、スピードメーターの示す
時速60kmで走れば、きちんと1時間で60kmすすむようなところです。だから車の燃費も良いです。




 ここは「繭の里」っていう別荘地のあたり、ここは正面に那須連山を望むことのできる定点ポイントみたいなところです。
 ちなみに朝10:00時点での気温は-3℃、標高500mぐらいのところにあるので、一日氷点下ってこともある。


nano ( オリジナルヘッド+オビツSBHボディ 2020 26cm)

 当然なんだけど、この時期は観光客も少なく、那須高原はとっても静かです。お店の半分ぐらいは閉まってる、もちろんコロナの影響もあるのだろうけれど。




9:00
 家についた。不凍液を排水管に補充した。
 とりあえず水回りは今のところ大丈夫かと思ったが、やっぱり水が出ない。水が使えないなら長居もできないので、またドライブに出かける。
(トイレで水が流せない!)



 那須では、なんと車1台分ぐらいのお値段から別荘を買うことができるけど、共通して言えることは寒さ対策と草刈りに手間暇がかかるってことです。
 でもね、最近はこのコロナ渦の影響でこちらに移住する人が増えてるって話を聞いたことがある。




 りんどうラインを南下して伊王野方面に、ここもまたいちめんの田んぼがひろがるところです。


 

 その田んぼのなかにラーメンののぼりがあった。もしかして密になることを避けてこういう形で営業しているのかな? ちょっと気になる。
 途中、古い街並みの残る黒羽を経由する。半年前だったらお散歩してたかもしれないけど、今は我慢です。正直ウインドウガラス1枚隔てて風景を眺めるって、
なんかバーチャルリアリティーみたいな感じです。そこに物が見えているのに触ることができない。




 途中、気持ち良い余笹川の土手を見つけたので、しばしの日向ぼっこです。




 何にもない、何にもないけど平和です。何もないところって好きです。
 でもやっぱりそれだけだとちょっと寂しい、こんなのがいつまで続くんだろ?



2021.01
camera: Canon Shot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10









3ヶ月ぶり



2021.04.03 SAT 天気:くもり
4:50
 ちょっと贅沢にも那須に小さな別荘を買ったのは良いのだけど、このコロナ渦では好きなときに出かけて行って遊ぶというのもはばかられる。でも放っておいては家も傷むし、
草刈りもしなくちゃいけない。ということで何と3ヶ月ぶりに那須の家に行くことにした。



 早朝5時前には出発、前回同様こちらで朝食、昼食とも買ってゆく。それで感染拡大に効果があるかって聞かれたら、まあ微々たるものでしょうと答えるとは思いますが、
こういったことの積み重ねが大切なのだと思う。



8:00
 ただせっかく桜の季節なので、ちょっとだけお花見も楽しみたいところ。ただあまり人の集まるようなところには行かないほうが良いでしょう。ということであまり知られていない
桜の名所を訪れてみたいと思います。



 こちらは矢板の澤観音寺です。参道の両側にあるしだれ桜がちょうど満開でした。
 予報だと晴れるはずだったのですが、ちょっと曇りがちなのが残念です。晴れているともっともっときれい。



 奥に見えるのが澤観音、こういうところを桃源郷というのかな? でもこんなにきれいなのに、このときここを訪れていたのは自分たちだけでした。何かもったいない。
 入ったことはないけれど、こちらのお寺の地下霊場にはたくさんの涅槃仏や観音像などの石仏が安置されているそうです。


 

 ちなみにこのお寺は那須与一の兄・那須満隆が築いた沢村城址に建っていて、背後の山の中にはその遺構がきちんと残されています。






9:30
 矢板から一般道で那須塩原に向かいます。このあたりは烏ヶ森公園ほか、けっこう有名な桜の名所があるのですが、人が集まりそうなのでパス。



 こちらは那須塩原の東那須野公園。ご覧のように13万本ものスイセンが植えられていることで有名なところ、見応え十分です。地元の方々のボランティアでこの景観が
保たれているそうで、とってもありがたいことです。
 この時期だとこの水仙と桜がいっしょに楽しめるのが楽しい。






 ここは、お花見スポットとしてはお気に入りの場所なのですが、理由は2つあって、まずは人が多くないこと、もう一つは散った桜がまたきれいなことです。山の東側は
少しくぼんだような地形になっていて風も弱く、桜の花びらがこんな感じで地面を彩っている。


sae (TBLeagueS35 27cm 2020)






 曇りがちな一日だったけど、やっと日差しが雲の合間から漏れた。  この一瞬を待っていましたって感じです。







11:00
 那須の道の駅「友愛の森」方面に向かいます。那須は観光の町だし、別荘もあるので比較的に県外ナンバーも多いところです。ただやっぱり新型コロナの影響は大きく、春になった
今もまだまだ通りは寂しい感じです。



 那須に行くと必ず訪れる場所がいくつかあるのですが、こちらもその一つギャラリーバーンです。新型コロナに関して言えば、十分にひろく疎の状態なので全く問題のないところです。
 ギャラリーバーンというのは、那須の観光の中心地から少し離れたところにあるレンタルギャラリーです。基本は作品を展示したいとか販売したいという人のための施設なのですが、
観光のオフシーズンになる晩秋から春までは、おもにオーナーの清野さんの作品展示が主になるようなところです。

 

 こちらは鳥の巣箱、ちゃんと計算されていて本当に野鳥が入って巣をつくる。とてもおしゃれなデザインなので、もちろんインテリアとしてもOK。

 

 手前のクランクを回すとネズミが餅をつくというおもちゃです。
 こういった動きのあるおもちゃシリーズは最近のヒット作、清野さんの作品は日常的で実用性のあるアートなんだよな。



 このコロナ渦のおかげで作品作りに集中できて、今は一月に50個ほどこういったおもちゃを作っているそうです。 (東京都内でも販売しているみたい)



 中の砂によって人形が回転するというオートマタです。最近つくりはじめたということでした。
 子供の頃につくった懐かしいおもちゃがよみがえってきている感じだね。大昔、子供の月刊誌にこういったものが付録としてたくさんついてきたことを思い出した。



 こういったものを眺めて意見交換して、そしていろいろ教わって、自分の方向性などを確認する。そういう場所として自分は楽しくいつも利用させていただいています。
 那須って晩秋から半年間はけっこう寒い、だから観光客がやってくるのは春から紅葉のシーズンまで。ところがこの新型コロナのおかげて閉めちゃったお店もけっこうある。
だからなのか春になった今でも結構静かです。今の感じだと、今年の観光シーズンも厳しいだろうな・・・。
 このギャラリーバーンも展示やイベントなどはお断りして、当面はオーナーの作品展示で土日のみの営業だそうです。
 清野さん曰く、うちはこの作品が売れているし、内装関係の仕事も依頼されたりするので、当面は大丈夫とのことでした。



12:00
 なんやかやでお昼になって那須の家についた。4ヶ月ぶりだったけど水回りは大丈夫、破損個所もないということで一安心。



 周りをくるっと回って春をあちこちに見つける。
 でも那須に本当の春が訪れるのはいったいいつになるのかな?



2021.04
camera: Panasonic GX8 + M.ZUIKO DIGITAL 12mm-50mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10








おしらじの滝



2021.05.14 FRI 天気:晴れ
8:00

 一月半ぶりに那須にやってきた。何年か前に格安の小さな別荘を買ったのは良いけれど、もちろんそれを維持するにはそれなりの努力が必要です。この時期は
庭の草刈りが最優先、小さいうちに根元から刈っておけば後々が楽です。もちろん除草剤など使うつもりはない。
 電動草刈り機を振り回して2時間半、とりあえずひととおりの雑草を刈り取った。汗をかき、上半身が少しだるいかんじで明日は筋肉痛かな?



 日当たりが良くなくて、あまり成長の良くないロウバイを移動した。ともかく手間をかけることもできないので、あとはロウバイの生命力と、天候の運を祈るのみです。



 こちらは敷地内を流れる小川です。
 草刈りとはいっても、片っぱしから刈るわけじゃなくって、こういったところは手付かずのまま残しておく。



 まわりにはイトトンボがたくさん飛んでいました。こういうのを眺めるのは好き。
 もう少しするとホタルも舞うようになる。



11:00
 那須に家があるとは言っても、こういう状況なので観光スポットに立ち寄るのは少しはばかられる。だから今日は自宅近くで買い込んだ昼食をいただき、そのままあちこち
ドライブして帰ることにします。

 

 そして最初にやってきたのは鳥の目街道沿いにあるギャラリーバーン、こちらはアート関連のレンタルスペースです。那須に行ったら必ずと言ってよいほど訪れる。
 ちなみにこの日は平日だったこともあって、ほかにお客様はいませんでした。



 この時期は恒例の「春のバードハウス展」を開催中でした。これはオーナーの清野さんが制作したアーティスティックな巣箱を展示販売するという企画で、けっこうな数の
オリジナル巣箱が立ち並ぶ。
 下段はペーパークラフトのリアルな家、こちらはけっこうな人気商品で東京都内でも販売されているそうです。

 

 うーんいい感じ、これなら小鳥も住みたくなるでしょう。
 こちらに展示してあるものは実用性があって、ちゃんと鳥が住み着きます。我家でも実証済みです。

 

 ナンバープレート・・・、のような巣箱。そしていちばん気に入ったのがバスの形をした巣箱、但しこちらはすでに売約済み。




 あとは最近力を入れているオートマタも結構な数を展示していた。

 

 基本はこんな感じです。下のクランクをカタカタ回せば、鳥がパタパタ羽ばたく。

 

 こちらはクジラが泳ぎ、プロペラが回る。豚やコウモリも空を飛ぶ。動きがとてもユーモラス。
 このシリーズですが、実用性とコストパフォーマンスが高く、人気商品なのも良く分かる。

 あとはコーヒーをいただきながら、昨今の状況についていろいろお話をする。
 この日は平日だったこともあって那須はとても静かでした。もちろんこの状況だからゴールデンウイークから夏のレジャーシーズンに至るまで、観光という意味での見通しは
明るくない。ワクチン接種が済んでコロナの影響がなくなるまで、少なくとも来年の春ぐらいまでかかるのではという見通し。だからここしばらくは計画されたイベントなども
ほとんどない。
 そのほか、この地区では感染者がほとんど出ていないということや、ワクチン接種は順調にすすんでいるとか、いろいろ話としては出てきた。
 自分としては、やっぱり中国で新型コロナが猛威をふるいはじめたとき、「日本は水際対策が万全だから大丈夫」だなんていって、実際には中国からの観光客を無制限に
受け入れていたあたりから、ボタンの掛け違いは始まっていたんだろうなと思う。go to もむしろ逆効果だったような気がする。
 見通せなかったのだから、仕方ないでは済まされない現実がある。こうなってしまうことを予想していた人は少なくないのに、その人たちに耳を貸さず、いまだ希望的観測で
政策を推し進めていることにやはり疑問を感じます。





 実際、那須というと様々な景勝地やアミューズメントがたくさんあって、いろいろ遊べるみたいなイメージがあるけれど、明治時代の開拓以前は、原野のひろがる人の住まない
ところでした。
 そして明治時代になって開拓がはじまり、那須疎水が引かれて広大な耕地がつくられたなんてことはブラタモリなんかでも紹介されていたな。そして政府の要人がこの地で
農場を経営するようになって、避暑地・観光地として認知されるようになったわけです。
 実際、火山の麓の荒れた土地を開拓するのは大変なことだったらしい。ごろごろしている火山岩を取り除き、水を引き入れる。それが何年も続いたそうです。



 ちょうど水田に水が入り、苗が植えられたところ。



 風に牧草がなびく姿も美しい。



 別にアミューズメント施設に行かなくても、こういう広い水田や牧場の風景を眺めているだけでも楽しい。



 

 こちらは要金寺、箒川のすぐそばの集落にある。開山は平安時代という歴史あるお寺です。
 箒川もしばしば洪水を引き起こし、こちらのお寺も別なところから移築されてきたようです。背後の山には箒根神社という同時代に建立された神社と城跡もあり、観光ガイドにこそ
載っていないけれど、このあたりはお散歩ファンとしては外せないところです。 (那須塩原市金沢)



 満開の藤棚と目心観音、観音様の前の小箱にお賽銭を入れるときれいな鈴の音がします。

 

 それほど大きなお寺ではないけれど、池のある庭園は見応えがある。



 左手の坂を上ってゆくのと奥之院があるのですが、この景色がなんともしっとりとして良い感じです。





12:45
ここから20kmほど離れた八方ヶ原へ向かいます。



 この季節は広葉樹の原生林のあちこちにツツジの花がさいていてとてもきれい。この林道をドライブするならこの季節かもしくは紅葉の時期です。
 最長付近には休憩施設や牧場があるのですが、知られた観光スポットなので今回は遠慮しました。



 最寄りの駐車場から歩いて10分ほど、那須では今新緑の美しい時期です。



 やってきたのは「おしらじの滝」、山中の少しミステリアスな感じのするところなのですが、少し訪れるタイミングが難しい。滝が青い滝つぼに落ちる様は、雨がしっかりと
降った翌日のお昼までしか見られない。
 この日も前日雨だったので大丈夫かな?と思って行ったのだけど、滝はちょろちょろ状態でした。ここを訪れたのは3回目、未だにその魅惑的な姿を見ることはできて
いない。




 ということで那須のドライブは終了です。
 また庭の草が伸びるころになったら、また別の場所に行ってみようかな。



2021.05
camera: Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10







那珂川




2021.06.11 FRI 天気:曇りのち晴れ
8:00
 那須にやってくるのは一月ぶり、その第一の目的は草刈りです。もうこの季節だと、一ヶ月も放置すれば大変なことになってしまう。



 行ってみたら、家の西側の小川付近はもう完全にジャングル状態でした。そして電動草刈り機を振り回すこと2時間半、やっとひととおりきれいになった。
但し翌日はちょっとだけ筋肉痛になった。
 夜になれば、ここにもホタルが舞っている頃なのですが、残念ながら今回も日帰りの予定です。



 草刈りの最中、こんなに立派なカブトムシ君に遭遇した。こんにちはとあいさつしてみたが、かなりお怒りの様子だったのでそのまま退散する。
 まわりはクヌギなどの天然林が多いので、キジとか野ウサギとかも含めて、けっこういろんな生き物を見ることができる。



 がんばって草刈りもしたし、帰りは少しだけ涼しいところをドライブして帰ることにする。まあこういう状況だし、いくら別荘があるからと言っても、接触は
できるだけ避けて日帰りするというのが、我が家の方針です。
 それも、少なくともワクチン接種が済むまではと考えているのですが、いつになったら接種を受けられるんだろ? 自分の住んでいるところでは、いつから
接種券が郵送されるのかも知らされていない。準備期間は1年以上あったはずなのにな?





12:15
 ということで、やってきたのはいつものギャラリーバーンです。



 こちらは那須の観光の中心地から少し離れたところにあるレンタルギャラリー。基本は作品を展示したいとか販売したいという人のための施設なのですが、
現在は企画展などは行われておらず、オーナーの清野さんの作品が主に展示されています。



 こちらはギャラリーのエントランス。
 オリジナルの巣箱と、可愛い粘土の動物たち。ちなみに巣箱の方はちゃんと計算されていて本当に野鳥が入って巣をつくる。



 粘土でできた動物たちは現在増殖中で、特に鳥の仲間はずらりと200以上は並んでます。これ一人で10とか20とか、まとめて買ってゆく人がいるんだって。
1つ400円で我が家にも20ぐらいいるんじゃないかな?  もちろんこちらも清野さんのオリジナル作品です。






 新しく展示されていたのがこちらの立体的なコラージュ作品です。(1つ8000円ぐらい)
 一月前にここを訪れたときには、まだこんなのなかったな。

 

  

 脇を見たら完成直前のものがまだ10個ほどあった。
 センスの良さが光るね。箱や写真、その他雑多なものを大量にストックしておいて、組み合わせてゆくんだそうです。こういうものってある意味、材料そのものが
表現できる作品の幅を決めてしまうので、どれだけ素材を集められるかが勝負になる。
 自分の場合にもかなり多種類の素材をストックしているのですが、4.5畳の自室はスペース的にもう限界状態。だからちょっとうらやましい。



 あとはコーヒーなどをいただきながら、作品の制作や人形、その他、様々な話題で時間を過ごします。
 こういう状況なので、那須は観光客も少なく、閉めちゃっているお店も多いんだけど、一方で都心方面からこちらに移住するような人は増えているみたい。
基本的にこのあたりは田舎なので、特別なことをしない限りは、不安なく生活できるってことなんだと思う。
 オリンピックは何が何でもやるって感じで準備がすすんでいるみたいだけど、本当にそれでOKなのか? go to同様、それがきっかけで、またまた感染が
拡大してしまわないか、やっぱり不安です。
 いずれにせよ、那須がまた活気を持って観光客を受け入れるようになるのは、まだまだ先のことになりそう感じだな。



13:05
 周辺のドライブコースというと、標高の高い那須高原の上の方を巡るのがメインだけど、那珂川のあたりから更に東の山間を抜けるコースもなかなか良い。



 只今国道294号線を南下中です。
 田植えが終わった田んぼがまぶしい、延々と続く水田の景色って奇麗なんだよな。




 ここは寒井南部菜の花畑と呼ばれるところです。
 このあたりはところどころにこういったお花畑がつくられている。季節や場所によってその種類も様々、ポピーのほかにも菜の花だったり、コスモスだったりいろいろ。
こういうのって嬉しいね。







13:45
 大田原市の黒羽に到着です。ここは元城下町で水運の発達していた場所。今は少しさびれた感じもあるけれど、お散歩していて楽しいところです。

 

 やってきたのは黒羽の高岩公園、火野正平の「とうちゃこ旅」に出てきたお手紙の場所です。
  ここには高岩神社と波切不動尊があり、五穀豊穣や那珂川を通る船頭さんの無事息災を祈願したというところです。波切不動尊の方は削られた崖の上に
あって、いつ落ちてくるか、ちょっと心配になりそうなところに建っている。



 那珂川に突き出した高さ10m近い1枚岩が高岩です。



 それほど高くないけど、上から見るとそれなりに迫力がある。
 下では何人もの漁師さんたちがアユ釣りをしています。
 そよぐ風が涼しく、避暑には良いところです。でもそれほど知名度があるわけでもなく、他の人と出会ったことはほとんどないです。



 今このあたりで子供たちを見かけることは多くないけど、昔は夏休みともなれば、このあたりにたくさんの子供たちが集まって遊んでいたんだろうなあ・・・。
そう思わせるような場所です。「お手紙の場所」に選ばれるのも分かります。




 鮎釣り見てたら、鮎が食べたくなった。
 那珂川河畔には塩焼き天然アユを売っているところがあるので、少しお土産に買いました。







 那珂川に並行する国道294号線は東北方面に向かう古道で、沿道には様々な遺跡が残っています。
 とても静かなところなんだけど、歴史はものすごく古い。そもそもこの道は律令の時代に整備された東山道だった。



 ここもその遺跡の一つで銭室塚古墳、二段構成の円墳で直径は26メートル。
 古墳見て興奮することは少ないけど、ここはいい。田んぼの真ん中にあって、なかなか画になる古墳です。


 

 ちょっと寄り道して山間に入ってゆくこと10分、須佐木という地区にある渡邊酒造さんにたどり着いた。
 那珂川の鮎が手に入ったら、やっぱり地元のお酒でしょ、という訳です。



15:15
 このあたりは大田原の中心街や黒羽の旧城下町から結構離れた山間なんだけど、訪れる人は多めです。というのもちょっと有名なお寺があるからです。



 こちらがその雲厳寺(うんがんじ)、禅宗の四大道場の一つとされるところです。このあたりではいちばん有名なスポット、JR東日本のCMでは吉永小百合さんが
訪れて撮影したというところです。
 このしっとりとした景色がいいね。



 ここはCMにも取り上げられた場所なんだけど、実は僧侶の修行の場であって、観光客のためのサービスなどはありません。
 但しその分、どこにも隙がなく、何もかもが研ぎ澄まされている感じです。境内を一周するだけで、何か心が洗われるような思いがします。つい歩きながらいろんなこと考えちゃう。



 境内はもちろんですが、背後の山も含めてとても神聖な感じのするところです。またぜひ訪れてみたい。




 帰りはちょっとだけ渋滞したけど、無事に我が家に到着。
 旅の土産は那珂川の鮎、そして渡邊酒造で買った旭興の生酒。往復6時間以上運転して、汗かきながら草刈りして、このぐらいの贅沢は多分許されると思う。





2021.06
camera: Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10











沼原湿原



2021.07.17 SAT 天気:晴れ
8:00
 早起きして那須高原にある別荘の草刈りに出かけた。春から秋は月に一度は草刈りしないと大変なことになる。
 もちろん草刈りだけでは時間もお金ももったいないので、興味のあるところには立ち寄りたいところだけど、さすがにこのような状況なので、人の多く集まるところは避けるつもりです。
 ということで、自宅を出発する際には近所のコンビニで朝と昼の食事は買い込んでいった。



 3時間かけて那須にたどりつく。もう家のまわりはこんな感じ。森の中の小さな家って感じです。緑があふれているというか、花などなくてもとってもきれい。
 このあと2時間かけて電動草刈り機を振り回して下草を刈る、翌日は筋肉痛になることもあるので、けっこうな重労働なのかも。下界より気温が5℃ほど低いはずなんだけど、やっぱり
作業をすれば汗をかきます。


hitomi (TBLeague s45 ヘッドをリメイク 26cm 2021 )

 敷地内を流れる小川が、木漏れ日を反射してきれい。
 モデルは先日、手を加えたTBLeague のアクションフィギュア s45 ですが、やっぱり普段着が似合う。



11:40
 シャワーを浴びたところでまだ午前11時、せっかくなのでちょっとお出かけします。
 やってきたのはいつものギャラリーバーンです。

 

 基本は作品を展示したいとか販売したいという人のための施設なのですが、このような状況なので、今はオーナーの清野さんの作品が主に展示されています。題して「ボックスアート展」です。
 本館横のガレージには清野さんのつくった巣箱が4つばかり取り付けられているのだけど、スズメが出入りしていた。可愛い。




 ペーパークラフトの蒸気機関車や家といったヒット作など、清野さんのこれまでの作品がずらりと並んでいる。




 これがそのボックスアートです。
 前回もいくつか作品が並んでいたけど、今回はもっと数が増えていた。おおむねA4サイズの箱の中に、清野氏のイメージした空間がひろがる。


 


 


 

 このシリーズはこれまでの作品群のなかでも、最も優れたものではないかと思う。その構成やテクニックは自分としても、ものすごく参考になります。
 アートとしてはもちろんのこと、お部屋のインテリアとして考えてもレベルは高い。このなかのいくつかは販売されていているので、興味のある方は、まずはギャラリーバーンのHPから
訪れてみてはいかがかと思います。(一つ8000円ぐらい)




 次のシリーズの制作もすでにすすんでいて、今度はレトロな看板なんだそうです。

 そしてこのあとはいつもの通りアイスコーヒーなどいただきながらしばしの歓談です。
 那須は今、至って静かです。土曜日にやってきたのだけど、車の通行量もものすごく少ない。いつもだと中心街の交差点は渋滞するが、今はすんなり。閉まっているお店も多数、
予定されているイベントも皆無に等しい。この状況下から那須が抜け出せるのは来年の春以降だね、というのがここにいた人間の見解です。
 厳しいよ、本当に。







13:10
 那須高原とはいえ、さすがに日中はそれなりに暑いので、更に標高の高いところにやってきました。
 訪れる人がそれほど多くなく、景色が良いということで思い当たったのがこの沼原湿原(沼ッ原湿原)です。実際、(温泉地近くの滝や緑地は結構混雑していた)



 ここは標高1,230mあたりにあってニッコウキスゲやヒオウギアヤメなど、約230種類の高山植物が見られるところです。



 時期的なものなのか、たまたまなのかは分かりませんが、今満開という植物はありませんでした。でも青い空と緑いっぱいの湿原だけでも見応え十分。那須連山を正面に見る
この景色はやってくる価値十分だと思います。





16:10
 沼原湿原を散策した後、この日は久しぶりに殻々工房を訪ねてみることにした。もうすでに半年振りになるかな。
 ふだんはけっこう用心深く、繁華街など絶対に行かないし、そもそも最近では外食などほとんどしていないような生活をしています。でもワクチン接種も終わったし、そろそろ安心
できるところなら行ってみても良いかななんて思ったりもする。



 こちらは那須で一押しのバー&ギャラリーで、現在は染色家の高久加奈子さんの作品展を開催していました。もちろん食事とお酒も楽しみです。

 

 こういう状況ではありますが、こちらについて言えば感染対策は万全、一組ずつに分かれたテラス席もある。早いうちに入店すればリスクなど気にすることもないと考えました。
 開店早々の午後4時に一番乗りで訪れた。するとすぐに更に2組、みんな考えることは同じだね。

 今飲んでいるのはモスコミュールのクラシックタイプでライムがたくさん入っている。凍り付いたマグカップで供されるのですが実に夏向けで心地良い。まるで青い空の下、ビーチの
スタンドバーで飲んでいる気分になる。
 食べているのは豚バラと煮卵の煮込みと、奥にあるのは鶏の炭火焼きです。お酒も良いけど、お料理も最高に美味しい。
 とても暑い日だったので、最後のオーダーも「ラムをタンサンで割ってください、銘柄はお任せで」とお願いしたら、マウントゲイというバルバドス島産のラムが出てきた。
「ジェームズボンドがバハマのホテルでオーダーしたものです」  ものすごくドライで切れが良い、まだまだ蒸し暑い夕刻に飲むにはぴったりだと思った。
 実はこのカクテルはメニューにはない。その時の状況でこういうものをさっと出せるのは、さすがだと思った。

 新型コロナの影響で全く元気のない那須だけど、自分が応援したいところについては皆さん頑張っているようで安心しました。もちろんものすごく大変なんだろうとは思うけど。





2021.07.18 SUN 天気:晴れ
8:00
 翌日は3時半には目が覚めた。そりゃそうだ、4時に夕食で6時過ぎにはもううとうとしてたんだから。
 4時を回ると少しずつ明るくなってくるので、あたりをお散歩します。

 

 観光地ではあるけれど、あとは森と田んぼが広がっているというのが那須のごく普通の風景です。
 道の脇にはこういった巨大な岩が残っている。これらは那須連山が噴火したときにもたらされたもので、昔はこんなものがたくさん転がっていたらしい。それを一つ一つ人力で移動して、
今の田んぼや畑がつくられたと聞いています。





7:40
 道の駅などにはまだ寄るつもりもないので、そのまま帰ることにする。
 ただ最寄りのICにすぐ入るのでなく、2つ先のICまで景色の良いところを選んでドライブです。



 那須塩原から矢板方面へ、箒川のあたりはいわゆる「何もないところ」。
 でも風になびく稲だけの景色は本当に美しいと思う。最近のお気に入りの風景です。




 ここは要金寺という千年近い歴史のあるお寺です。
 正面の観音像にお賽銭を入れるときれいな鈴の音が響きます。



 三密がどうしたこうしたはここでは無縁。
  ここも特別な観光地でも何でもないのだけど、心が落ち着くものすごく素敵な場所です。



 みんな頑張っている、自分も頑張んなくちゃ・・・。
 なんとなくそう思った。





2021.07
camera: Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10











那須温泉神社



2021.08.20 FRI 天気:晴れ
4:50
 思いがけず急に天候が回復したので那須に行くことにしました。
 目的は今回も庭の草刈り、何もせずに放置していると大変なことになってしまうので、いくら自粛と言われてもこれだけは外せない。



 夜明け前に自宅を出発、草刈りだけならそんなに早く出発する必要もないけれど、せっかくなので行き帰りぐらいはドライブを楽しみたいと思っています。
 夜明けを迎えて、雲一つない空。昨日までの大雨が嘘のようです。



7:50
 3時間かけて別荘に到着です。
 一ヶ月以上放置していた割には雑草の成長は思ったほどでない。この8月は本当に雨ばかりだったから、日照不足で雑草の育ちも悪かったのだと
思う。



 一方で湿度は思いがけず高い、いくら高原でいくらか平地より気温が低いとはいえ、電動草刈り機を振り回すとさすがに汗をかく。
 ひととおり草刈りが終わってシャワーを浴びたら10:00過ぎ、ここから先はいよいよお楽しみの時間帯です。





10:20
 昨日までの天気からは、想像もつかないような良い天気。
 向かう先はもちろん蒸し暑い下界でなく、標高1000mを越える天空です。



 まずは那須岳の麓の大丸駐車場を目指します。
 夏休みなんだけど交通量は少ない。普通なら稼ぎ時ということで、どのお店も飾り立ててお迎えの体制を整えている時期ですが、今年も
そういう華やいだ感じが通りからは感じられません。



 最初にやってきたのは那須温泉神社です。 本当に空が青い。空気も澄んでいる。
  夏の観光シーズンは、近くの県営駐車場も混雑していて留めるのも大変なんだけど、やっぱり空いている。ここまでやってくると三密とは無縁なんだけどな。



  那須温泉神社は1200年ほど前の創建と伝えられるほど古い歴史があり、あの那須与一が鳥居や社殿を奉納したと伝えられています。
 日本人ていうのは、そんな昔から温泉が好きだったんだ。





 こちらは近くにある殺生石という名勝。小規模な火山の噴出口があり、あたりに硫黄の匂いが立ち込める。



 ここにやってくると、やはりこの千体地蔵が訪れる者の目を引く。 お地蔵様のお顔がどうしたというのでなく、やはりこの空間の持つ迫力がすごい。







 那須の景観を一望するのなら、やっぱり那須岳に登るのが一番良いでしょう。
 でも那須岳を含む那須の景観を眺めるだけなら、その手前の那須岳展望台あたりも結構良い。まず密になることはないし、無料駐車場やトイレもある。
やっぱり画のように二人でやってくるのが良いかも。(恋人の聖地にも登録されている) 



  湿度の高い夏は、日中、海風が入ってくるとどうしても景色は白くかすみがちになるので、早い時間帯をおすすめします。


ikumi (オリジナルヘッド + TBLeague s24Aボディ 27cm 2018 )





11:30
 下界に下りてきた。やってきたのはいつものギャラリーバーンです。



 こちらの基本は、自らの作品を展示したいとか販売したいという人のためのレンタルギャラリーなんだけど、現在の企画展はなし。
 ということで、今は常設展としてオーナーの清野さんの作品が展示されています。

 

 今あちこちで売れているというボックスアート。様々な雑品を用いて作られているのですが、この組み合わせの妙ともいえる完成度の高さがすばらしい。
 前回もいくつか作品が並んでいたけど、今回はまた別なものが展示されたり、同じ作品でもまた新たに手が加えられていたりしてました。 身近に展示できる
アートとしてのセンスの良さはもちろんですが、表面処理をするとか、色を塗るといったごくごく基本的な部分でのテクニックがとても参考になります。



 これは少し大きめの作品、大人っぽい落ち着きのある作品で、今回の自分の一押しです。



 前回訪れたときには、まだ制作中だった作品が完成して展示されていました。



 こちらはベニヤ板に直接色を塗って昔のホーロー製の看板に仕立てた作品です。デザイン的には大昔のアメリカの雑誌に掲載されていた広告を
参考にして仕上げてあるということです。
 このあとこれにどういう演出がなされてゆくのか、ちょっと楽しみです。





 組作品として展示したいもののほかに、こういった単品でも見応えのある作品もある。緻密で写実的な描写がすごいかも。

 

 こちらはベニヤ板に描かれた作品、90cm×60cmぐらいはあるかな。清野さんの作品としてはかなり大きい。
 今回はジェームスディーンとオードリーヘップバーンだけだったけど、また何か新しいシリーズでも始めるのかな?


 ひととおり作品の見学をさせていただいた後は、アイスコーヒーなどいただきながら最近の那須の状況などが話題になります。
  ここしばらくの感染拡大はこれまでにない勢いで広がっていて、那須の田舎にあってもそれは例外でないこと。そしてその結果、予定されていた
秋のイベントも軒並み中止や延期になっているということ・・・。
 周囲の現実に目をやると話題としては暗いものばかり。 那須の観光というのは、基本的に冬場はないに等しいから(もともと休業するところも多い)、
紅葉シーズンがダメになると営業再開は次の春を待たなければいけない。
 はたしてあと9ヶ月、どれだけのお店や宿泊施設、美術館などが生き残ることができるのか・・・、もう切実な問題です。





 そんな暗い話題で盛り上がって(下がって)いたときにやってきたのが別なお客様、何でも昔「ともしび」という歌声喫茶で演奏されていた方だとか。
 記憶によれば「ともしび」って確か歌声喫茶発祥の地として有名なお店ですよね。
  清野さんがお願いしたら、ピアノで3曲ほど演奏して下さいました。 ピアノの音が心地良くギャラリーに広がる。 何かいいな、NHKの駅ピアノの名演を生で聞いている感じ。
沁みます。やっぱりここに立ち寄って良かった。





13:20
 お昼ご飯を食べにやってきたのは東那須野公園の小高い丘です。



  ここもまた桜やスイセンで有名なところなんだけど、この時期の昼下がりには誰もいない。(東那須野公園)
 夏休みだから子供たちが虫取りしていてもおかしくないんだけどな・・・。出ちゃだめって言われてるのかな?



 丘の下から上昇気流が駆け上がり、草が波打つ。
 カメラのシャッターチャンスとしては、本日のベストタイミングです。



 今日は早いうちに神奈川に戻るつもり、あとは最近ご無沙汰しているところを巡って、最後にちょっとだけお土産を買うことができたらいいかな?
 そう思って、大田原の佐久山を目指すことにした。



 大田原の南側こは広大な水田がひろがっていて、豊富な湧水があちこちからあふれ出るようなところです。こちらも小さな神社の近くにある遊水地で、
糸魚(イトヨ)の繁殖地として知られるところ。
 水がとても冷たい。那須連山の降水が何kmも地面の下を通って濾過され、このあたりから染み出しているというわけです。



 ここに至っては、まあ観光客が訪れるのは本当に希だろうな。
 でも 何よりこの何の変哲もない、ありふれた水田の風景が素晴らしい。




 今回のお土産です。

  

 那須温泉神社のお守り、「健康でありますように、そして願いが叶いますように」
 佐久山の和気精肉店のメンチカツ、こちらは近隣でも知られる名店で、ここだけはいつ行っても少し混んでる。
 最後も佐久山の小島屋という和菓子屋さんで買った和菓子です。ご年配のご主人がつくっておられるようですが、とっても美味しい。1日でも
長く作り続けてほしいなって思います。



2021.08
camera: Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10









蓑沢の彼岸花



2021.09.19 SUN 天気:晴れ
4:30
 那須で遊ぶのが目的で小さな別荘を買ったのですが、この新型コロナのおかげで、ゆったりと楽しむという訳にもゆきません。
 それでも放っておくと庭が大変なことになってしまうので、この一年は一ヶ月に一度のペースで草刈りをしているという感じかな。 この日も朝4時半に
神奈川の自宅を出て、日帰りで戻ってくる予定です。



 夏の後半は雨続きだったけど、ここにきてようやく晴れる日が続くという予報に変わりました。
 この日も最初は路面が雨に濡れているような状況だったけど、圏央道を走っているうちに晴れてきた。何かとてもドラマティックな空です。



 左前方に虹も見える。
 でも何か思ったより道が混んでいるな、緊急事態宣言なんだけどな。



9:00
 別荘についた。
 嘘のような快晴の空の下、2時間かけて草刈りをする。でも思ったより草は伸びていない。天気が悪くて雑草でさえ育ちが悪いってことですか、
本当にこの夏はよく雨が降ったと思う。



 あちこちで花も咲いているんだけど、みんなひょろっとして首をもたげている。



  草刈りの後、少しだけ馴染みのところを回り、ドライブして帰ることにします。せめて1泊ぐらいはしたいところだけど、一応、それも緊急事態宣言が
終わってからにする。これもささやかな自粛です。



 ところがこの日の那須は思い切り混雑していた。緊急事態宣言下でイベントなどは片っ端から中止になっているのだけど、道路は県外ナンバーの車でいっぱい、
スーパーや宿泊施設の駐車場もいっぱいという感じでした。「緊急事態宣言どこに消えちゃったんだろうなあ・・・。」
 でも、これだけ毎日のようにTVで旅番組やってたり、音楽イベント開催などがニュースになっていたりすれば、確かに自粛という雰囲気自体が薄れてしまうのも
仕方ないかもしれません。
 とりあえず我が家は混雑するようなところには行かず、人のないところだけにとどめるつもり。



10:05
 最初に行ったのは那須ブックセンターです。人口2万に満たない那須町の、しかも繁華街でないところにできた本屋さんなので、応援したい気持ちでいっぱいだった
のですが、近々閉店するそうです。



 もともと周辺に人は少なく、経営的にも厳しいと思ったのですが、このコロナ渦の影響も大きいだろうと思います。周辺のコミュニケーションセンター、情報センター
としての役割もあったのでとっても残念。
 願わくはこの後も、このような役割を果たすことのできるような施設が入ってくれることを期待したいと思います。長い間お疲れ様でした。



 那須はもう少しで紅葉シーズン。
 この連休を期待して営業を再開したお店もあるのだけど、例年11月には寒くなって訪れる人も少なくなってしまうので、本当に厳しい。





11:05
 こちらはいつものギャラリーバーンです。
 緊急事態宣言ということもあって企画展などはなし、今は例によってオーナーの清野さんの作品展示が中心になっています。



 前回訪れたときには昔よくみたホーロー製の看板のレプリカがたくさん展示されていたけど、一区切りついたみたいで、今はまた立体的なコラージュ作品が
多く展示されてました。

 

 大きさはほぼA4サイズ、木の枠に様々なものがちりばめられ、センス良くまとめられている。ちょっとおしゃれなインテリアとして飾っておくのにとても良い感じ。
そういうこともあっていくつか買って帰られる方もおられるそうです。(8000円~)、


 

 小さい作品に並行して、A3サイズ以上の少し大きめの作品も制作しているみたいです。小さ目の作品がA4サイズのなかにイメージした空間をぎゅっと
押し込めているのに対して、こちらは部屋の中の空間への広がりを感じさせる作品になっています。
 余白の使い方が実にうまい!

 

 素材の質感を生かしたり、小物の特徴を生かしたり、それでいて様々な技法でさりげなくまとめているところにうまさを感じます。こういう素材の多くは、
このギャラリーに出入りしている人たちが「これ使えるかな・・・。」なんて言いながらおいてゆくんだそうです。
 壊れたもの、一見すると単なるがらくたが清野さんの手にかかると生まれ変わる。
 今回見た作品の中で、最も自分が完成度が高いと思った作品が右上です。
 中央にあるのはコカコーラとペプシコーラのミニチュアボトル。まるでこの作品のためにつくられた感じです。
(15000円~ 作品はギャラリーバーンのHPからも見ることができるので、よろしければどうぞ)




 春から秋にかけては、あちこちで様々なイベントが行われるのが、那須の普通の風景なのですが、さすがに緊急事態宣言下ではそうもゆかない。
今年計画されたイベントはほとんどが中止となり、カレンダーは真っ白の状態です。
 そんななか、那須高原作家協会主催の展覧会が10月1日より10日間の予定で開催されることになったそうです。
 会場はこのギャラリーバーンと同じくギャラリーの星雲塾の2か所、今回は20周年記念の協会展ということで、作家の皆さんの力作が集まるのでは
ないかと、自分も期待しています。
 折しも9月の終わりから那須岳の紅葉は始まり、例年10月上旬がそのピークとなります。このタイミングで那須を訪れるのも良いのではないでしょうか。
(たとえば東京都内の作品展に比べれば、その混雑度はかなり低いはずで、その点についてはあまり心配はいらないと思います)





11:50
 さて再び景色の良いところを探してドライブです。どこかで早朝にコンビニで買ったお昼ご飯を食べるつもり。



 何か久々に見た快晴の空。那須岳もいちばん上の方は紅葉が始まっているはず。
 


 那須と言っても観光名所を除けば、ごく普通の田舎。黄金色の穂に彼岸花という代表的な日本の秋。







 途中、とっても素敵なお花畑がありました。近隣の農家の方が手入れをしているんだと思う。
 それにしても見事としか、言いようがありません。







13:10
 華やかな観光地と温泉のイメージが強い那須ですが、東北道を挟んだ東側は昔ながらの風景の広がっています。
  このあたりは訪れる人も多くなく、のんびりと散策したい人にとっては嬉しい場所です。



 こちらは県道を、伊王野の道の駅から白川方面にすすんだところにある小さな集落です。

 

 その中心的な存在が三森家住宅(見学可能)で、まわりに植えられたコスモスがとてもきれい。


sae ( TBLeagueS35 ヘッドリペイント 2020 27cm )





  そこから少しすすむと、今度は彼岸花がとてもきれいなところに出ます。
 土手一面にその数が数万本とも言われる彼岸花が咲く。






 傍らを流れる小川が太陽光を浴びて輝く。
 1年に一度、わずか数日間だけなんだけど、ここはどこにも負けない魅力的な場所に変わります。



 なお彼岸花の開花のピークはとても短いので、おそらくは10月に入る頃には終わってしまっていると思います。また例年開催されていた彼岸花祭りも
今年は中止となっていますのでご承知おきを。

 次に那須にやってくるときは多分紅葉のピークの頃になると思います。その時には緊急事態宣言も終わっているはずなので、もっとたくさん那須の
きれいな風景をご覧いただけると思います。



2021.09
camera: Canon Powershot G7X / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10








蓑沢の彼岸花




2021.10.08 FRI 天気:晴れ
4:30
 ここのところ1年に一度、紅葉のシーズンになると那須岳に登っている。
 もちろん紅葉の時期はものすごく混むので、早朝4時半には自宅を出発です。
 那須岳周辺の紅葉は9月の終わりごろから始まり、10月の初旬から中旬にかけてそのピークを迎えます。だから時期としては
ベストシーズンのはずです。




 7時45分、那須ロープウエイの山麓駅にやってきた。いつもは8:30から営業開始なのだけど、この時期は7:30から運行が始まる。
でも自分たちがやってきたときには、すでに第一駐車場は満車に近かった。
(駐車場まで数kmの渋滞になることもあるので、この時期にやってくるなら早朝行動は絶対必要)
 このほかロープウエイを使わずに、県道の一番奥にある県営駐車場まで行ってから、徒歩で登るという方法もあります。




8:00
 自分たちは景色は楽しみたいけど、苦しいのは嫌いなので、おとなしくロープウエイに乗りました。
 (片道1200円・・・ちょっと高いかな、ちょっと前までは700円ぐらいだったような気がする)
 那須方面の天気予報は基本的に曇りだったけど、ロープウエイに乗って雲海の上に出ると、当たり前のようにすっきりとした晴れです。




 山頂駅の気象情報では山頂付近の風は、西風10m/sから15m/sの強風、この風情報だけはちょっと抑えておいた方が良い。穏やかなら
お隣の朝日岳ぐらいまで半日で言って帰って来れるけど、この風たと西斜面や稜線はできるだけ歩かない方が良いだろうと思った。
 なので、今日はおとなしく紅葉の名所と山頂を巡って帰ってこようと思います。




 標高1680mの山頂駅から登山を開始です。登山と言っても1915mの山頂までは歩いて1時間もかからない。安全度も高いので皆さん
軽装で登る。
 でも時々革靴とかスカートで登り始めたりする人もいるのだけど、やっぱりそれはやめた方が良い。ちなみに登山届のポストもありますが、
縦走するならともかく、山頂まで往復するだけなら、その届を出す人はほとんどいません。




 上の画像は、紅葉がいつもだったらとてもきれいな牛ヶ首というところです。 今年はどうかというと、夏の終わりの雨が多くて、紅葉せずに
みんな落ちちゃった感じだね。






 高山植物帯を抜け、山頂の少し手前からガレ場や岩場が続くところに出る。
 初心者向けの山ではあるけれど、こういう変化が何か本格的な登山をしているような気分にさせるんだろうな。



 やっぱり日本100名山の一つ。
 そしてとっても空が近いです。




 山頂には小さな祠があって360℃を見渡すことができる。実に爽快。
 でも今日は風が強い、お人形を出して写真を撮れない!






 お鉢めぐり(火口を一周)して下山します。
 稜線上の避難小屋の向こうに朝日岳、三本槍岳、そしてそこからさらに続く縦走コースも見えます。



 実は那須岳とはこの付近の山々の総称で、実際は茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の三山からなるとされています。
 今回登ったのは茶臼岳で、単に那須岳と言ったら、この茶臼岳を示すことが多いです。







 三本槍岳から伸びる尾根、こちらは日当たりの良い南斜面なので紅葉が実にきれい。










 帰り道は紅葉のなかを下山します。実に心地良い。下山までに要した時間は3時間、往復ロープウエイを利用すれば2時間ぐらいかな。
 今年は暖かい日が続いているので、まだまだ楽しめそうです。那須岳は登山初心者にもおすすめできる山だと思います。



11:40
 那須岳から戻るとお昼時、ここは新型コロナもそれなりにおさまりつつあるし、ここは地元のお店に入るのも経済的には意味のあることなので、
ご近所のコパというラーメン屋さんに行ってみた・・・。結構な行列、こういう場合には別のお店を選ぶというのも、選択肢にある。

 観光客が少なくて、少し寂しい感じの那須でしたが、緊急事態宣言の解除とともに、今回はけっこう人が多くなったような気がした。そしてやっぱり
ちゃんとしているところには人は集まる。ごく自然な流れとはこういうものかもしれない。

 

 ほかのお店を回ろうかとも思ったけど、お腹もすいてきたので、食欲に負けてコンビニでお買い物。
復刻版のブタホタテドリ、なかなか美味しい。
 庭を眺めると小さな秋の花が細やかに咲いていた。




 下界に比べると、ここ那須は一足早く秋が訪れている感じだね。



14:05
 午後は以前にお伝えした「2021 那須高原作家協会展」が現在開催中ということで、おじゃましてきました。
 那須高原にはたくさんのアーティストが在住していて、毎年何回かはアート系のイベントも開催されるようなところなのですが、
昨今のコロナ騒ぎで、このようなイベントはほぼ2年ぶりということです。



 会場の一つが、こちらのギャラリーバーンです。



 いつもと違っていろいろな作品が並んでる。
 正面にあるのが、黒いパイプを組み合わせた作品で、最初は何なのかなと思った。



 右側に回り込んで、窓に向かって覗き込むとこんな感じです。
 透かして見える様々な色パイプの万華鏡とでも言ったら良いのでしょうか、なかなか面白い。




  自分の中で一番インパクトのあったのがこちらの作品です。



 英語の辞書からキノコや草が生えてきているという作品ですが、見ていて美しく、完成度も高い。本という工業製品が土に戻り、
植物を育んでいるということなのかな?
 アイディアやテクニックのレベルはアート系の雑誌に掲載されていてもおかしくないと思う。
 ジオラマ好きの人には必見です。




 こちらは流木とドライフラワーでつくった作品です。大きさが1m以上もあって迫力がある。


 

 オーナーの清野さんの作品も展示されてました。 こちらはボックスアートの新作です、なんでこんなにパーツを構成して
ゆくのがうまいんだろ?




 今回の展覧会は2か所で開催されていて、もう一つの会場は車で5分ほど離れたところにあるこちらの「青雲塾」です。
 作品はもちろんのこと、会場となっている築100年の古民家自体も見物でした。



16:30
 晩御飯はこちらも久しぶりのバー&ギャラリーの殻々工房です。こちらもオープンは16:00からと、まだまだ明るいうちから美味しいお酒と
お料理がいただける。

 

 こちらも予約で半分の席は埋まっていた。お酒とお料理、サービスまで含めて、こちらを支持する人は多いと思う。
 まだまだ明るいうちから良い気分になりました。何を食べても飲んでも美味しいけれど、今日はエビのフリッターとボンベイサファイアのサンセットが印象に
残りました。



 こうやって美味しいお酒とお料理を楽しめるのは、とても幸せなことなんだなと、あらためて思いました。



2021.10.09 SAT 天気:くもり
5:30
 夕食が早ければ、翌日目が覚めるのも早い。
 4時前にはすでに読書などしていた。



 5時を回ってようやく明るくなってきた。
 白く霞んだ空気の中をお散歩というのもまた良いです。




 この日の朝食は、こんな感じです。あっさりしているけど、けっこう贅沢。
 牛乳はジャージー牛、甘くて濃くておいしい。

 

 那須はハシゴができるほどパン屋が多く、しかも個性的。今回は近所のクーロンヌと、初めて行った小さなパン屋さん so-boku で買いました。
so-boku のパンはしっとりしていて甘みがある、確かNHKのパン旅とかにも出ていたような気がする。
 ただしこちらは場所を知らないと間違いなく通り過ぎちゃいます、そのぐらい目立たないところにある。



 帰りは道の駅にも寄りました。ちょっとだけ以前のような感じで遊ぶことができて、正直嬉しいです。
 もう少しで那須は一足早い冬になっちゃうけど、しんとした那須というのもまた良いです。



2021.10
camera: Panasonic GX8 + LUMIX G VARIO 12-32mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10








会津西街道



2021.11.06 SAT 天気:晴れ
5:00
 ほぼ一か月ぶりで那須に向かう。せっかくなので途中、紅葉が見ごろになっていそうなところを回ることにします。
 これからは高い山の紅葉はほぼ終わり、少しずつ標高の低いところが赤や黄色に彩られる時期です。



 そして自分たちが選んだのは会津西街道、場所としては東武鉄道でいうと会津鬼怒川線の新藤原から上三依塩原温泉口あたりまでの間・・・、
といってもピンとこない人の方が多いかもしれない。簡単に言うと日光の北側、福島県との県境に近いところです。




 最初に立ち寄ったのは鬼怒川公園、こちらも紅葉が見ごろした。



 いろんな色に染まった木の葉の下を歩くのは楽しい



 なかでもこの日光市の郷土資料館のイチョウがとりわけ奇麗だった。天然のUCLAカラーがすごい。
 ちなみにこの資料館は藤原宿にあった旅籠を移築したものだそうです。





9:00
 そのまま国道を福島方面に北上します。






 こちらは龍王峡、鬼怒川が削り取ったダイナミックな景観が楽しめる。紅葉と谷を流れる青く澄んだ水のコントラストが良いです。
 沿線ではいちばんの観光地かな。



 すごい、あちこちから流れ落ちる滝がまtダイナミック。



 無料駐車場から降りたあたりに滝と対岸に渡る橋があるのだけど、このあたりの景観だけでなく2時間ほどかかる渓谷の散策コースもおすすめです。







9:30
五十里湖(ダム湖)を対岸に渡る海尻橋のあたりの景観です。ここから先がまた紅葉の素敵な場所です。
ちなみにこの橋自体も時代を経てなかなかに美しい。国道121号線が旧道とバイパスに分かれるところにあります。



 道の駅「湯西川温泉」です。この地下に会津鬼怒川線の駅があることでも有名です。
 紅葉の中を通る電車を撮影しようと、カメラマンが多数訪れるところでもあります。



 列車の到着を待って撮影してみました。ここもまた良く知られる撮影ポイントかな。






9:50
 でもね、今回自分が一番おすすめなのは中三依温泉駅の周辺です。
 もともとはここも会津西街道の宿場町だったところだけど、今は住む人も少なくひっそりとしている。でも昔ながらの小さな宿場町が紅葉におおわれている
景観はなかなか他では見られるものではないです。ここはぜひとも散策したいスポットのひとつです。



 このあたりは旅行ガイドなどには載ってないので、駅前の案内図を参考にして回ってね。といってもそこに記されたところが見どころではなく、こういった普通の
路地がいちばん美しかったりするんだけど。



 駅前にある一際大きなイチョウが黄色く色づいていた。



 日本の原風景がひろがるところではありますが、その中でも特に自分が好きなのがこの中三依温泉駅前の大イチョウです。 ガイドブックにも、googleマップ
にさえも出てこないけど、このあたりではいちばんの名所だと思ってます。



 通りを歩く人が全くいない中三依温泉駅、営業しているお店は周辺に2~3軒しかありません。
 そのなかでも扇屋という喫茶店には立ち寄ることが多いです。



 コーヒーなどをオーダーすると漬物がついてくる。これがまた美味しいです。オーナーは80歳を越えているということですが、できるなら体調など崩すことなく、いつまでも
頑張ってほしいと思います。
 このあと上三依塩原温泉口から国道400号線で那須塩原方面へ。 温泉街を囲む山間の紅葉も今が見ごろで、とても楽しいドライブになりました。





11:55
 昼前には那須高原に到着しました。久々にお昼は鳥野目街道沿いにある「麺屋」という白河ラーメンのお店に行ってみました。



 ここは別に行列のできるような有名店ではないけれど、ずっと以前にたまたま入ってみたら、自家製手打ち麺の本格的な白河ラーメンのお店だった。実にシンプルで
素材の味が良く分かる、食べ飽きしない、そういうラーメンを出すお店です。
 近くには全国的に名の知られる焔(ほむら)をはじめとして、有名店や特徴のあるラーメンを食べさせるお店があって、一帯はけっこうなラーメン激戦区だったりする。
そんななかで町中から外れて、決して場所が良いという訳でもないのに、ずっとここでやってきたというのが、実はすごいことかもしれない。
 この日も常連さんがたくさん来ていた。ちなみに店内に「今年を持って閉店します」という張り紙があった。店主がご高齢だということがその理由なのでしょうか? 
長いことお疲れさまでした。




 閉店というと、那須の中心地にあった那須ブックセンターも今年を持って閉店するということでした。
 本屋さんのないところで本屋さんをつくるというオーナーの熱意をもって4年前に開店したのだけど、諸事情により閉店せざるを得なくなったということでした。
一つにはこのコロナ渦で来店する観光客が少なくなったというのもあると思う。
  ネット中心の世の中で人口3万に満たない地方都市で、本屋さんを成立させるというのは本当に厳しいことだと思う。こちらは地域の交流や、文化・情報の発信、
またはボランティアなどの支援も行っていた場所なので、多少形を変えてでも引き継がれてほしいと願っています。



12:20
そしていつものギャラリーバーンです。今年の企画展はすべて終了し、今後は週末のみの営業になります。



 展示しているのは主にオーナーの清野さんの作品で、上のような立体的なコラージュなどが並べられています。



 冬の那須は訪れる人も少なくなり、信じられないほど静かになる。長い冬を迎え、冬眠生活に入る感じというかな・・・。眠りから覚めるのは来年の春、
でも眠ったままのお店もきっと少なからずある。それだけ那須の状況は厳しいです。
 このあたりには観光科や畜産科など、那須という土地柄に似合った学科を持つ高校もあるのですが、結局はいろいろあって東京などの大都市圏に
出て行ってしまうそうです。
 その理由は簡単で高校生の就職先がないから。もし地元で就職先を見つけようとしても、やはり低賃金の仕事しかない。一方で那須ではリタイヤした
お金持ちが増えているイメージもありますが、それも別荘地の一部に限られ、現実にはどんどん二極化が進んでいるんだそうです。
 テレビのニュースでは、この1年ほど「東京の新規感染者数は・・・。」なんて冒頭から始まっているけど、東京発信の話題が極端に多いことに気付く。東京は
首都なんだからというその根拠のも分からない。現時点では、あまりにも東京中心の考えがすすみ過ぎたように思う。たまにはやせ細ってゆく地方にもスポット
を当てても良いのではないでしょうか。そして根本的には東京一極集中の良し悪しを考えるべき時期だろうと自分は思います。

 この日はギャラリーの談話コーナーに並べられた美術書、写真集、旅行記その他に目を通す。
ものすごい蔵書で圧倒される。ネット社会では、何か知りたいことがあっても、検索すればほとんどすべてのことが分かる、確かに大変便利です。でもそこには
小さな落とし穴がある。「何をしたらよいか
 分からない」という人は何を検索したらよいのかも分からない。もしかしたら、それこそ本屋さんで立ち読みした方がインスパイアされる場面が多いのではないで
しょうか。自分の場合にも本やTV、映画、
 そして何より旅行などで実物を見て体験して、自分のやりたいこと、そして自分の位置などを確認して先にすすんでいるように思います。







 

17:00
 夕方になるのをまって殻々工房に向かう。ちなみに現在は、内海聖史 個展 「 highball painting ハイボールペインティングス 」 を開催しているっとのことで、
いつもとは違う雰囲気のテーブルでお料理やお酒をいただきました。そして今日もまた豚の角煮と煮卵は絶品でした。





2021.11.07 SUN 天気:晴れ
8:50
 翌日は久々に塩谷町に行った。

 

 町役場の周辺の中心街はこんな感じです、お世辞にも賑やかとは言えない。半分ぐらいのお店は閉まっている。
 画像の左側は、はちみつ専門店「玉生美蜂場」の店舗、20種類のはちみつが置かれていて、どれもが自信作。今日はとりあえずこれを買いに来
今はこんな感じだけど、ずっと以前はここも城下町として繁栄したところです。



 お城の敷地から少しだけ郊外に出ると、こもうんな感じで大きな農家がまだ何軒も残っている。



 こちらは廃校になった小学校を利用した宿泊体験施設です。とっても良い感じ。



 この豊かさは町の真ん中を流れる荒川の恩恵かな。この荒川の上流には名水として知られる尚仁沢湧水群もあります。
 実はこの上流地域で放射性物質を含む指定廃棄物処理施設をつくろうとする動きがある。すでに5年も前に環境省が国有林を処分場(長期管理施設)の
候補地に選定したのです。
 だいたい国は人が少なくなったところにこういうものを作ろうとする。でもなぜここなの? 原発などを含めて、なぜ東京から遠く離れたところなの?地元の
寂れた商店街には「設置反対」のポスターがあちこちに貼られています。



 「自分さえ良ければ良い。」そういう考えは恥ずかしいものだと教えられた記憶がある。でも何か、だんだんうまく立ち回った者の勝ちのような世界に
なって来た気がする。そして一見、良い人を演じる人が多くなったことも気に入らない。いろんな部分で間違っているし、良い方向に向かっているとは
思えない、これが今回の結論です。




2021.11
camera: Panasonic GX8 + LUMIX G VARIO 12-32mm / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10









今年最後の紅葉



2021.12.11 SAT 天気:晴れ
8:35
 ほぼ一月半ぶりの那須です。山の紅葉は終わってしまったけど、まだまだ平地の紅葉だったら間に合うかもしれないと思って、
西那須野にやってきた。
 那須というと、乱暴な言い方をすれば、西側(山側)には那須高原と温泉地があって、様々な観光名所も集まっている。東側
(那珂川流域)は白河の関に続く奥州街道(江戸時代までのメインストリート)が通っていて、宿場町や城址その他、歴史散策の
できるような名所が集まっている。
 では中央はというと、国道4号線、東北自動車道、新幹線、東北本線は通っているけど、さていったい何があったかな? みたいな
感じです。実際、歴史的には明治以降の新しいところが多く、それまでは手付かずの原野だったところが大半でした。






 こちらはイロハモミジで有名な大山参道です。
 タイミングが良ければ樹齢90年ほどのイロハモミジが200mほどの続き、色鮮やかなアーケードになるのですが、今年は少し遅かった。
オレンジから赤の葉が少し残っているだけでした。それでも結構きれいだけど・・・。



 地面はモミジの絨毯でふかふか。


sae(TBLeagueS35 ヘッドリペイント 29cm 2020 )

 もそも大山参道というのは、陸軍元帥大山巌の墓所に続く参道として整備されたところから、そう呼ばれるようになった道です。
大山巌は戊辰戦争から日清日露戦争を指揮官として戦い抜いた人物で、この那須に別荘と農場を所有していました。


 

 大山参道を南に向かって歩いてゆくと県立の那須拓陽高校があります。
 正門は県立の高等学校とは思えないような門構え、そしてフェンスには全国大会出場の横断幕が延々と続く。一見して伝統校であり、また様々な
ところで注目を浴びるような存在であることが分かる。

 

 もともと農学校だったというけど、これがまたものすごく広い。ちょっとした大学なんかよりも、もしかしたら施設的には整っているかもしれません。(上は大山農場)
そして敷地内のビオトープがきれい。
 明治維新以降、政府の重鎮や貴族、軍人たちが那須に移り住んで那須野が原の開拓がはじまったのは有名な話ですが、そういうこともあって、こういう学校がつく
られたんだろうと思う。



こちらは高校の敷地内にある大山記念館です。(内部見学要予約)
この高校自体がもともとは大山元帥の所有する農場跡につくられたってことですね。





10:30
 今度は郊外を東に向かってすすみます。そしてまだ行ったことのない野木神社を目指します。

 

 野木神社です。その名の通り、こちらは日清日露戦争で活躍した乃木希典を祀った神社で、その一角には旧宅がある。(見学無料)
 この西那須野には明治時代の著名人の別邸が多くあり、乃木希典自身も暇を見てはここで農地を耕していたと伝えられます。
(その農地も今はまた那須拓陽高校の農場になっている)


 

 すぐ近くで見つけた鉄道の駅跡、「野木神社前」という名前がついている。
 このあたりには西那須野から黒羽、那須小川に続く東野鉄道が通っていたところで、1968年まで営業を続けていたということです。
(今現在は遊歩道として整備されている)
 すごいね、明治の半ばから昭和にかけて、一気にこの那須野が原が近代的な姿に開拓されていったわけだ。



 遊歩道を西那須野に向かって歩く。
 そしてここにもイロハモミジが植えられています。


 

 このあたりの開拓の歴史は「那須野が原博物館」あたりに行くと、よく理解できると思う。(入館300円)
 博物館周辺は「いだてん」で名の知られるようになった三島通庸ゆかりの地で、「つるべの家族に乾杯」にも出てきた三島神社があったりします。




 今は知名度も低く、少なからず寂れた感じもあるところ西那須野ではありますが、一昔前はこの周辺に日本を動かす人々が集まり、急激な勢いで一つの
理想郷を目指して発展していた時期があったことは間違いないです。
 近年になっても一時期、国会を那須野が原に誘致しようという動きがあったと記憶してますが、一体それはどうなっちゃたのかな?
 東京一極集中はこれからもすすむってことでしょうか。





13:20
 西那須野の散策のあとに向かったのは、いつものギャラリーバーンです。



 例年、この時期になると企画展などは行わず、オーナーの清野さんの作品中心の展示になります。
(那須を訪れる人が極端に少なくなるため)




 

 以前より作り続けている立体的なコラージュ作品は、またいくつか完成して展示されていました。
 その構成や表現など、以前にも増して進歩している感じだね。


 

 動きのある作品の中では、このロボットシリーズが可愛い。完璧でなく、あえて少しバランスを崩しているところが絶妙。
 こちらもヒットシリーズの予感がする。




 この恐竜はまだ完成はしてないけど、動きがユーモラスで的を得ている。さすが元アニメーターだな。




 今度は少しまとめて絵でも描いてみようかな、みたいなことを言ってました。
 リアルに仕上げられた着色したペン画が何枚か展示してありました。




 作品を鑑賞させていただいた後は、例によっていろいろなお話を聞かせていただく。
 基本、那須の観光シーズンは、紅葉の終わりとともに静かな冬の時を迎えるのですが、今年は少し違う感じだそうです。
いまだ週末ごとに那須にやってくる人は多いみたい。
 やっぱりこれまでの間、コロナの影響でどこにも行けなくて、やっと今になって解放された感じなのでしょうか?
 でもまた今度はオミクロンの関係で不透明な部分が出てきてしまった。観光地としては来春の観光シーズン以降、どういう
プランで臨むかが難しいところです。もしかしたらそのスケジュールが白紙のままってところも多いかもしれない。





17:00
 我家もここのところ少し解放されていて、那須では飲みに出かける。
 でも混雑は一応避けたいので出発は16:45。



 こちらはいつもの殻々工房です。この日は5時にやってきたのだけど、予約が結構入っていて、何とかカウンター席を確保することができました。
 お酒、料理、お値段、すべての面で満足できるところだから、リピーターは当然多いと思う。

 

 いっぱい頼んで、いっぱい飲んだ。
 フィッシュ&チップス、豚角煮と煮卵(画像 左)、カキとタコの燻製(画像 右)・・・、飲み物は、ギネス、ボンベイサファイアのサンセット、ブラックブッシュ・・・。
 最後に「適当なラムをタンサンで割ってください。」とお願いしたら、Selva Ray というラムのソーダ割り出てきた。チョコレートの風味がすごい、チョコレートケーキ
を飲んでいるような感じ。でもタンサンで割っているので甘すぎるってこともない。絶妙のバランスで一発で気に入ってしまった。
 ここに来たら1つぐらいはお任せでつくっていただくのが良いと思う。

 いっぱい頼んで、いっぱい飲んだ。
 だからとても良い気分で、寒い冬の夜を歩いて帰る。
 星もきれいだったので、撮影しようとカメラを出したら、手が滑ってカメラを落としてしまった・・・。そしてカメラは二度と起動しなかった。





2021.12.12 SUN 天気:うすぐもり
8:30
 翌日は宇都宮郊外の白沢宿に立ち寄ってから神奈川に帰ることにしました。



 昨夜、カメラを壊してしまったので、ここから先は1万円の格安スマホで撮影です。晴れていればまだしも、曇りの条件だと色の再現がけっこう怪しい。
やっぱりちゃんとしたカメラには敵わない。


 

 こちらには井上清吉商店という酒蔵があって「澤姫」というブランドのお酒を造っています。爽やかで上品な味わい好きで、ここのところ年末にはお正月用のお酒を
こちらで買っています。
 16種類のお酒が比較できる試飲コーナーもある、こういうのってありがたいよね。
 これから年末年始の計画が思った通りにすすむか、若干不安もあるけれど、帰省はできるものと信じて買っておきます。




 白沢の宿は奥州街道の宿場町としては宇都宮の次、今は当時の繁栄をうかがい知るものは少なくなっていますが、宿場町のあちこちを流れる清水を見れば、
ここでおいしいお酒ができることには納得がゆくはずです。



2021.12
camera: Canon powershot G7X & Oukitel C15 / graphic tool: SILKYPIX Developer Studio Pro.7 + GIMP 2.8 + Ichikawa Daisy Collage 10



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